
量子複雑性解析理研白眉チーム

理研白眉研究チームリーダー 桑原 知剛(Ph.D.)
研究概要
古典コンピュータ(または量子コンピュータ)を用いたときに、量子多体系のシミュレーションの計算複雑性を明らかにする分野はハミルトニアン複雑性(Hamiltonian Complexity)と呼ばれています。とりわけ、近年の量子コンピュータの量子超越性やNISQ(誤り訂正機能のない小型の量子コンピュータ)を用いた量子アルゴリズムの観点から、ハミルトニアン複雑性は量子情報分野において最も重要な研究対象の一つとなっています。本研究では、ハミルトニアン複雑性における数学的な未解決問題を解決していくことを目指しています。
お知らせ
8月31日にCarla Rubilianiさんが理化学研究所国際プログラム・アソシエイト(IPA)を無事修了し、ドイツに帰国しました。
8月25日から29日に台湾の国立台湾大学で開催された国際会議SQAI-NCTS Workshop on Quantum Technologies and Machine LearningにDonghoon Kimさんが参加し、26日に” Area Law and Provably Efficient Algorithm for Quantum Gibbs States in Long-Range Interacting Systems”と” Entanglement area law in interacting bosons: from Bose-Hubbard, ϕ4, and beyond”に関する二つの講演を行いました。
8月8日に理研AIP(Center for Advanced Intelligence Project)で開催された数理科学チーム成果報告会に桑原と鵜飼歩美さんが参加し、“量子もつれの境界則予想と最近の進展”に関する招待講演と” 平衡状態に対する有効ハミルトニアン”に関するポスター発表をそれぞれ行いました。