量子複雑性解析理研白眉チーム
理研白眉研究チームリーダー 桑原 知剛(Ph.D.)
研究概要
古典コンピュータ(または量子コンピュータ)を用いたときに、量子多体系のシミュレーションの計算複雑性を明らかにする分野はハミルトニアン複雑性(Hamiltonian Complexity)と呼ばれています。とりわけ、近年の量子コンピュータの量子超越性やNISQ(誤り訂正機能のない小型の量子コンピュータ)を用いた量子アルゴリズムの観点から、ハミルトニアン複雑性は量子情報分野において最も重要な研究対象の一つとなっています。本研究では、ハミルトニアン複雑性における数学的な未解決問題を解決していくことを目指しています。
お知らせ
元JRA学生の尚程さんが10月1日に特別研究員として加入し、引き続き当チームで研究を行なっていくことになりました。
9月21日から29日にかけてギリシャのハニアで開催された21st International Workshop on Pseudo-Hermitian Hamiltonians in Quantum Physics (PHHQP-XXI)の国際会議で、尚程さんが” Topological Quantum Batteries”に関する招待講演を行いました。
9月9日から13日にかけて沖縄科学技術大学院大学(OIST)で開催された19th Theory of Quantum Computation, Communication and Cryptography (TQC2024)で木村裕介さん、Donghoon Kimさん、尚程さんがそれぞれ” Clustering theorem in 1D long-range interacting systems at arbitrary temperatures”, “Thermal Area Law in Long-Range Interacting Systems”, “Equivalence between operator spreading and information propagation”に関するポスター発表を行いました。
また、” Clustering theorem in 1D long-range interacting systems at arbitrary temperatures”の発表はOutstanding posterに選出されました(19/420が選出)
Achutha Rakeshさん、Donghoon Kimさん、木村裕介さん、桑原による論文” Efficient Simulation of 1D Long-Range Interacting Systems at Any Temperature”がarXivで公開されました。